SNSチームでは、MG研究室として6月から2ヶ月間にわたって印刷物(ポスター)の日焼け劣化具合について検証を行い、2週間おきに濃度を計測してきました。
●6月19日記事 【MG研究室 インキ耐性編 スタート】
本日と来週の2回に分けてこの検証・分析結果をご報告したいと思います。
実験素材の印刷物はA3サイズのポスターを想定とし、以下4通りの印刷方法と用紙を使用しました。
①ハイブリットUV印刷(UVインキ)+マットコート紙
②ハイブリットUV印刷(UVインキ)+ユポ紙
③オフセット印刷(油性インキ)+マットコート紙
④オンデマンド印刷(トナー方式)+マットコート紙
屋内

屋外

■11月2日 UVインキと油性インキの違い
■12月22日【小ロットでもオリジナリティ溢れた印刷物を!】五反田本社でのオンデマンド印刷について
まずは、屋内と屋外での違いの差を見ると、ハイブリットUV印刷の屋内に掲示した印刷物と屋外に掲示した印刷物では明らかに劣化が見られました。
これはオフセット印刷(油性インキ)でも、用紙をユポに変えた場合でも同様の結果となりました。
一方、オンデマンド印刷では屋外、屋内でも変化は見られませんでした。

ハイブリットUVとオフセット印刷(油性)の屋外と屋内の条件下では、なぜ違いが出たのでしょうか?
それは、インキと紫外線(太陽光)による作用が大きいと考えられます。
インキの中に含まれる顔料が紫外線(太陽光)によって刺激され、性質に変化が起こり、見た目で劣化したように見えているのです。
これを専門用語では退色(褪色)と呼んでいます。
では、なぜオンデマンド印刷ではこれら退色(褪色)が起きなかったのでしょうか?
ハイブリットUV印刷やオフセット印刷(油性)では液体状のインキを使用しているのに対し、オンデマンド印刷は「トナー」と呼ばれる粉末状のインクを使用した印刷方式だからです。
「トナー」は、非常に細かい帯電性を持ったプラスチック粒子で出来ており、オンデマンド印刷は、静電気と熱を利用して「トナー」を紙に着色させています。
いわば、プラスチックの塊(固形)を紙の上にくっつけているような状態ですので紫外線が当たってもこれ以上変化が起こりにくいと言えます。
私たち印刷業界では、この一連の紫外線(太陽光)による退色(褪色)に耐性があることを「耐光性」と呼んでいます。
今回の実験から、「耐光性」が最強なのは『オンデマンド印刷』であると結論付けられました!
ただ、オンデマンド印刷も万能であるわけではありません。
小ロット、短納期、そして「耐光性」も兼ね備えた方法ではありますが、A3以上のサイズが印刷できなかったり、ハイブリットUV印刷に比べると印刷品質が落ちていたり、大量ロットには向かなかったりとデメリットも多くあります。
そこで次回は、今回の実験結果から得られた数字を分析して退色(褪色)の原因を探っていきたいと思います。
それでは今回はここまで!読んでいただき、ありがとうございました!!!
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